WEBやSNSの更新をやらないといけないのはわかっているけど、「手が回らない」「ついつい後回しにしてしまう」といったことよくありますよね。
近年クラウドソーシングサイトの認知拡大もあり、業務を『外注化する』という選択肢も多くなってきましたが、まだまだ「誰に頼めばいいのかわからない」「どうやって探せばいいのかわからない」と言った声も多く見られます。

「何を頼めばいいのかわからない」という企業様も少なくありません!
そこで今回は、『ITを駆使してサービスを行う不動産会社』としても注目されている、株式会社グラウンド代表の鈴木宏治さんに、Web周りを外注化してる理由やどうやって外注先を見つけたのかについてお伺いしました!
多忙でWEB周りのことが後回しになり外注化を決意


うちの会社は、新築一戸建てを仲介手数料0円でご紹介する、『ゼロ仲介』を運営しています。
会社に社員は自分以外に3名です。内1名のスタッフは現在育児休業中なので、実質今は僕を含めて3人で業務をまわしています。
僕以外の2人が主にお客様の物件案内やローンの手続きなど不動産業務の実務を担当しています。僕はお客様とのLINEのやり取りを担当しており、その他のWEB周りのことはほとんど外注化しています。
不動産屋をはじめたばかりの頃は自分一人だったので、自分でできる限りのことをやっていました。だけど、ありがたいことに忙しくなってくると、WEBやSNSの更新に手が回らなくなってしまったんですよ。
SNSの更新が止まってしまって、毎日投稿し続けることに意味があることはわかっているのに、ついつい後回しになってしまう。それで、「自分でやったらあかんな」と思って外注化することにしました。
はじめての外注で失敗も。その後の外注先の探し方
僕自身が最初WEBの知識があまりなかったので、どこに頼めばいいのか分からなかったですね。
お金はあるし外注したい、でも「どこに頼めばいいかわからない」「誰に頼めばいいかわからない」ってなって。最初はそうなる人が結構多いと思うんです。
それで一番最初は、クラウドソーシングを使って探しました。
でも、当時はまだ電話でのやりとりが禁止だったので、全てテキストでやりとりをしないといけなくて、意思疎通がうまくできなかったんですよ。自分が思ってたのじゃないのが出来上がって、修正したいけどそれも文字で伝えないとダメじゃないですか。



やりとりが上手くできなくて諦めました。
クラウドソーシングを使って、誰に依頼すればいいのかが自分ではわからなかったんですよね。そうなると「失敗したくない」という考えが働いて、単純に安い人に発注するんですよ。
WEB制作で価格が10万円の人と50万円の人がいて、同じようなことをやってくれるとしたら、10万円の人に頼みたくなるじゃないですか。最初の頃は、そういう事をして失敗しました。
失敗を経験したことで、「これ続けていても意味がないな」と思いました。自分にとっても、相手にとっても良い結果にはならないので。
それで次に、WEB関係のお仕事をされていて「この人詳しいかも」って人に出会えたので、その人に今の状況とやって欲しいことと予算を伝えて「こういうことできる人知り合いにいませんか?」と紹介してもらいました。
今はそういう人に出会えたので、やってもらいたいことを伝えて紹介してもらいうっていうのを繰り返してます。
スキルよりもフィーリング重視!外注先の選び方
初心者の方がレベル1だとして、ベテランの人がレベル10だとするじゃないですか。そうすると、もちろんレベル10の人に依頼する方が価格は高くなるわけで、それが払えるのであればレベル10の人でもいいんです。
でも、レベル1の人も仕事をお願いしている過程で成長するかもしれないじゃないですか。そういう人をたくさん見てきたので。



なので、その人のレベルよりもフィーリングを重視します。
うちは会社で人を雇ってもできることを外注していることが多いので、社員みたいに思える人かどうかで選んでいます。「この人このままうちの会社に入ってもらえたらな」ってなる人がいいなと根っこでは思っているので。
「うちの会社(株式会社グラウンド)のためになりたい」みたいな感じの人がいいし、そう思ってもらえるようなやりとりや、発注の仕方をする方がお互いハッピーだと思ってます。
うちは社員も少なく会社の規模も大きくないので、社内だけで完結するのではなくて、他の人の力も必要だと思っているんですよ。他力本願ですが、「こうした方がいいと思います」「こういうのはどうですか」って言ってもらえる方がありがたいです。
お金を払って仕事をお願いするとなると、ただの依頼主とワーカーの関係で終わることが多いじゃないですか。あんまりリアルで付き合いもなくて、会ったことも無い人に「応援してます」って言ってもらえることないと思うんです。
長い目でみたら、そういう関係を築ける人がいいなと思います。そう考えてみると、そういう関係にならなかった人とは、2回目の発注にはなりませんでしたね。
制作からアップまで全て外注化!ストレスフリーな関係づくり
ゼロ仲介では『YouTubeチャンネル』をやっているんですけど、動画は自分達で撮影をして動画は島田さんに外注して制作、サムネイルの制作とアップするまでのスケジュールをまるっと『あいみんのチーム』(マドカさん・花岡さん)にお願いしています。



サムネイルの制作依頼をはじめて、まるっと1年ほど経ちました。
最初はサムネイルの制作だけだったんですけど、YouTubeへのアップはもともと現在育休中社員が担当してくれていたんですよ。お休みしている間は、僕が引き継いだんですけど余裕で更新がストップしてしまい、2ヵ月ぐらい動画があげられなくて・・・。
撮影している動画がどんどん溜まっていって「これはやばいな」と思いまして、その時サムネイルの制作をあいみんのチームに、まるっとアップまでお願いしますって依頼した感じですね。
アップする作業には、IllustratorやPhotoshopみたいに特別なスキルやツールは必要ないんですけど、ただこういうことすら外注したいって会社って、結構ありそうな気がするなと自分も依頼をしてみて思いました。



2ヵ月更新を止めてしまった身としては、ストレスがなくなりました!
YouTubeに限らずなんですけど、外注として外に仕事を出す場合って発注元が「こうしてくれ」「ああしてくれ」って言って、指示を出して出来たものをチェックするパターンが多いじゃないですか。
対してうちは、継続して同じ人に依頼していることが多いんで、「こうしてください」が発注先からくるんですよ。「これ確認してください」と言われて、僕が「ちょっと待ってくださいすみません」みたいなのが多いんですよね。
それが通常の外注の関係だと、僕が何も反応なかったらそれを発注先はずっと待ってて「知らんやん」「連絡なかったし」みたいなことになると思うんですよ。
でも、あいみんのチームから「YouTubeアップできないから、どうなっているか教えてください」みたいに言われて、うちのコンテンツやのに。今の関係はいいなと思います。
あと、お家をご購入いただいたお客様を取材してもらう取材ライティングもライターの長谷川さんに外注しています。お客様に直接お話を伺ってWordPressの記事に投稿してもらうんです。ある程度希望を伝えたら、丸っとお任せで制作してくれるので本当に助かります。
たくさん外注してみて思いますけど、こういう関係になれたら一番いいですね。あんまり、外注することにストレスはないほうだと思います!
駆け出しでも魔法使い!自分の輝ける場所を探すべき
まだ駆け出しの人に仕事を依頼することもあります。「この仕事を楽しんでいる気がする」そんな人に出会ったら、仕事を発注してみてます。
駆け出しの人に多いんですけど、その業界で長くやっている人をTwitterとか一方的に見かけて、自分と比較してなんか急に自信なくす人めっちゃいるんですよね。
気持ちはよくわかるんですけど、その時にいつも話す不動産営業マンの話があります。お家を売っている不動産の営業マンには、スーパー営業マンと普通の営業マンとダメな営業マンの3つのレベルの営業マンがいます。お家を探しているお客さんが「この営業マン、なんかすごそう!」と感じていても、実は会社のなかでは普通の営業マンってことがよくあるんですよ。
スーパー営業マンと普通の営業マンの営業力の差って実はほとんどないってこともあるんですよ。スーパー営業マンをレベル10だとしたら、普通の営業マンはレベル8、みたいな。



その差は、一般のお客さんにはわからないんです。
この話を例えばバナー制作に置き換えたら、僕はIllustratorもPhotoshopも触れないし、Canvaすらも怪しい。そんな僕からしたらそもそも画像作れるだけで、人物切り抜けるだけでレベル8ぐらいなんですよ。レベル10の人とレベル8の人の差を、僕はパッと見ではわからないんです。
でもみんな勝手にすごい人と比べて、「自分は全然ダメだ」って思ってしまうけど、最初に誰に頼めばいいのかすら分からなかった僕からすれば、駆け出しのみなさんですら魔法使いに見えるんで。



なぜかみなさんメジャーリーガー目指すじゃないですか。
最初からミスコンやメジャーリーガー目指すじゃなくて、今のスキルと経験でも十分求められる場所があるので、まずはそういった場所を探しに行くのがいいと思います。自分が求められる場所を見つけて、「いつかミスコンに出たいな」「メジャーリーグを目指そう」って腕を磨くのが一番いいですよ。
そこはもしかしたら、Twitterやクラウドソーシングにはないかもしれないけど、リアルの知り合いや友達に声をかけてみたらあるかもしれません。そういう発想もいいんじゃないかなと思います。
株式会社グラウンド / 代表取締役社長 鈴木 宏治 様
34歳でフリーターから未経験で不動産仲介業者へ入社。売買仲介営業を2年経験した後に、退社し独立準備をはじめる。2014年8月に株式会社グラウンド設立。2016年に新築一戸建てを仲介手数料0円で紹介するサービス、「ゼロ仲介」スタート。2019年YouTubeチャンネル「ゼロ仲介チャンネル」を開設。現在、チャンネル登録者数は5,000人を突破。
この記事は2021年9月に収録されたラジオを記事に起こしたものです。